
インターネットが欠かせない現代では、固定回線以外にも持ち運びや煩わしい手続きが不要な「ポケットWiFi」がより身近な存在となりました。
2021年2月現在でも、沢山のポケットWiFiがリリースされており、ユーザーは自分に合ったWiFiを探すことができます。
種類が多いということはその分、提供会社間の競争が激しくなり、性能改善や価格改善などが繰り返されるため私たちユーザーにとってはとても良い傾向だと思います。
しかしながら、あまりにたくさんの種類があるので、何を基準にポケットWiFiを選べばよいのかがわからないという方も多いでしょう。
どれも同じ性能であれば費用だけを見て決めることができますが、そう簡単にはいきません。
そこで今回は、ポケットWiFiの性能で重要なポイントの一つ、「通信速度」に焦点を当ててポケットWiFiを分析していこうと思います。
実際、「通信速度=WiFiの性能」といっても過言ではないぐらい、WiFiの性能は通信速度で決まります。
私たちユーザーはポケットWiFiにインターネットへの繋がりやすさやレスポンスの早さを求めますが、ここには通信速度が大きく関わっています。
この記事を読み終わる頃には、通信速度の意味を理解でき、自分に合ったポケットWiFiが選べるようになっているでしょう。
是非、最後まで読んでみてください。
目次
【最新】各社ポケットWiFiの速度比較
まずは、最新の各社ポケットWiFiの通信速度を比較してみましょう。
予備知識として、通信速度には大きく「下り」と「上り」という考えがあります。
のちほど詳細を解説しますが、下りがダウンロード、上りがアップロード時に利用する速度です。
この下りと上りが通信速度を表しているため、通信速度を比較したいときはポケットWiFiの両方の最高速度を確認しましょう。
今回は、ポケットWiFiの中でも代表的な製品の通信速度を比較した表を作成しましたので参考にしてみてください。
ポケットWiFi最大通信速度比較表 (上り/下り) |
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サービス |
最大通信速度 (上り) |
最大通信速度 (下り) |
Trip Wifi | 50Mbps | 150Mbps |
WiMAX | 50Mbps | 1,237Mbps |
THE WiFi | 50Mbps | 150Mbps |
Y!mobile | 37.5Mbps | 998Mbps |
docomo | 131.3Mbps | 1,288Mbps |
Softbank | 37.5Mbps | 998Mbps |
STAR WiFi | 37.5Mbps | 612Mbps |
「Trip WiFi」「WIMAX」「The WIFI」「Y!mobile」
「docomo」「softbank」「Star WIFI」
代表的なポケットWiFiとして、上記7社の通信速度を調査しました。
上りについて、docomoを除くと37.5Mbpsと50Mbpsのみであまり大差がありません。
上りには最大通信速度に大きな違いはなく、どのWiFiも横並びという結果になりました。
次に下りについてですが、こちらでは各社でかなり差が出ています。
製品によっては10倍近い速度の違いがありますが、ただここで記載されている速度はあくまでも「最大通信速度」です。
そのWiFiの通信環境がベストな時に出る速度の目安なので、常に最大通信速度で通信ができるわけではありません。
1288MbpsのポケットWiFiと契約しても、最大通信速度で通信できる回数が週に1回程度で、ほとんどが100Mbpsの速度だとしたら最大通信速度はないに等しいですよね。
反対に、最大通信速度が150Mbpsでも、常に120~150Mbpsの速度が安定的に出ているのであれば、そちらのほうが常に速い通信が可能になります。
最大速度も大事ですが、安定的にストレスない速度で通信できることのほうが重要です。
それぞれ下りも上りも違いはありますが、基本的にどのポケットWiFiもユーザーが快適に利用できる速度以上となっています。
ですので、後は「費用面と安定的な通信が可能かどうか」を基準にポケットWiFiを選択するかたちになるのではないでしょうか。
因みに、全体を見てみると下りも上りもまったく同じWiFiがありますが、販売元会社が異なるだけで実は同じ回線を使用しているケースがあります。
そのため、下りも上りも同じ最大通信速度のWiFiがあります。
通信速度の基礎知識を知っておこう!
通信速度の基礎知識をちゃんと理解しておけば、キャンペーンなどに誘導されることなくポケットWiFiを選択できるようになります。
通信速度は、目に見えないものなのでなかなかイメージがしづらいですが、しっかりと理解していただけるように丁寧に解説していきますので参考にしてみてください。
下り速度と上り速度
通信速度について、最初に理解しないといけないことがあります。
それが、速度には「下り速度」と「上り速度」があるということです。
先ほども伝えた通り、下り速度は「ダウンロードをするときに利用する速度」です。
ダウンロードとは、メーセージの受信や画像や動画のダウンロード、またWebサイトや動画の閲覧などが該当します。
一方で上り速度が、「アップロードをするときに利用する速度」のことです。
画像や動画のアップロード、メールやSNSでのメッセージ送信が該当します。
上りは自分からSNSで情報を発信したり、ブログを書いたりしている方が重視する数値ですね。
ですので、一般的には上りの速度よりも下りの方が重要度は高いです。
「bps」と「ping」
ポケットWiFiの通信速度をチェックしていると、「bps」という単位をよく目にするかと思います。
先ほどの通信速度比較表でも「Mbps」という単位で表示していましたね。
bpsは、1秒間に転送できるビット数を表していて、これが通信速度の単位となります。
少し専門的な説明になりますが、8ビットは1バイトなので、例えば50Mbpsなら1秒間に約6.25MB(メガバイト)のデータ量を転送できることを意味しており、30Mbpsなら1秒間に3.75MBのデータ量を転送できることを意味します。
1秒間に送れるデータが多い分、トータルの通信速度は短くなるので50Mbpsの方が通信速度は速いことになります。
通信速度では「Kbps」、「Mbps」、「Gbps」が一般的です。
それぞれ、Kはキロバイト、Mはメガバイト、Gはギガバイトなので5Mbpsと1Gbpsを比較すると1Gbpsの方がスピードは圧倒的に速いです。
通信速度や数字に慣れていない方は、数字だけでなく単位もちゃんと確認するようにして速度を比べてみてください。
さて、上記でご説明したように通信速度を測るbpsですが、bps以外にも重要な指標があります。
それが「ping値」です。
ping値は、タイムラグを表した数値です。
ping値の値が小さければ小さいほど、リクエストからレスポンスまでの時間が短いことを意味します。
自分が起こしたアクション(ボタン押下など)に対するレスポンスの速度なので、ping値が小さいほどタイムラグが少なくなり、通信速度も速くなります。
特にデータ通信の頻度が高いオンラインゲームなどでは、重要な数値になります。
ping値は10msを切ればかなり優秀ですが、目安値としては30~50msです。
因みに、50msをオーバーすると大きなタイムラグが生まれやすいので、オンラインゲームなどを頻繁に利用する方は注意してください。
快適な速度の目安
通信速度には下りと上りがあり、最高通信速度が速いほど快適に通信ができることは理解いただけたかと思います。
では、普段何気なくしている操作はどれぐらいの通信を必要としているのでしょうか?
- LINE送信
- 動画視聴
- サイト閲覧 etc
ライフスタイルによって、必要とされる通信速度は違ってくるかと思います。
ご自身がよく利用している通信を考えながら、読み進めてみてください。
▼下り(ダウンロード)
- メール受信、LINE受信、Webページ閲覧:「1Mbps」
- YouTube(標準画質)視聴、テレビ電話:「3Mbps」
- YouTube(高画質)視聴:「5Mbps」
- オンラインゲーム:「100Mbps以上」
▼上り(アップロード)
- メール送信、LINE送信:「1Mbps」
- SNSへの写真投稿、テレビ電話:「3Mbps」
- SNSへの動画投稿、データファイルの共有:「10Mbps」
上記はあくまで推定ですが、動画視聴は画質によってかなり必要速度が変わります。
また、データ量が多い情報をアップロードするほど、速い通信速度が必要となっていることがわかりますね。
ですが、メールの送受信、WebサイトやSNSを閲覧・投稿などの一般的な使い方であれば、上り10Mbps、下り25Mbpsあればストレスなく楽しめます。
この数値を実測値ベースで上回るWiFiであれば、快適な通信速度を確保していると考えてよいでしょう。
ポケットWiFiの速度の計測方法って?
ポケットWiFiの速度の重要性や、各ポケットWiFiの最大通信速度などを紹介させていただきました。
ここまで読んでいただければ、WiFiの速度がいかに大事かがご理解いただけたことでしょう。
しかし、見落としてはいけないのが「実測値」です。
最大通信速度は確かに大事な要素の一つですが、一番大事なのは実際に使っている時にどれぐらいWiFiの速度が出ているかということです。
最大通信速度よりも、今のWiFiの速度である実測値のスピードのほうが大切です。
実測値を測定している方は少ないかもしれませんが、とても簡単に測定が行なえます。
▼実測値の計測方法
- PCやスマホをポケットWiFiと接続する
- 速度計測サイトで実測値を計る
速度計測サイトですが、検索窓で「スピードテスト」などと検索すればすぐに該当のサイトが出てきます。
測定したいWiFiに繋がっていれば、簡単な操作だけでそのWiFiのスピードが測定できるので一度利用してみてください。
ポケットWiFiの速度に関する注意点
ポケットWiFiの速度は一定ではなくて、常に変わります。
場所やタイミングによって速度が速い時もあれば遅い時もあり、状況に左右されて常に変動しています。
これはポケットWiFiに限った話ではなく、電波を飛ばして通信している機器は通信環境に大きく左右されます。
では具体的にどのような原因でスピードに影響が出るのでしょうか?
ポケットWiFiの速度に影響が出るポイントを、以下でみていきましょう。
エリアによる変化
利用するエリアによって、ポケットWiFiの速度が変わる場合があります。
例えば、最大速度が400MbpsのポケットWiFiを使っていたとしても、常に400Mbpsの速度が出るわけではありません。
エリアがどの速度まで対応しているかによって、パフォーマンスが変わります。
今いるエリアが400Mbpsに対応していると、MAXの400Mbpsに近い速度が出るはずですが、200Mbpsしか対応していないエリアであれば200Mbpsほどの速度しか出なくなります。
このように、利用するエリアがどの速度まで対応しているかによって出るスピードは変わってきます。
残念ですが、どれだけ最高速度が速くても利用するエリアがその水準に満たなければ通信速度が遅くなるのが現状です。
障害物による影響
ポケットWiFIは、障害物によって通信速度が変わります。
ポケットWiFiと端末の間に電波の通り道を塞ぐような障害物があると、電波が弱くなり通信速度が遅くなります。
場合によっては、繋がらなくなりますので気をつけてください。
ポケットWiFiに限らずとも、無線でWiFiを利用している場合は障害物を意識することが大切です。
特に室内で使う場合、ポケットWiFiを1階に置いたまま2階からアクセスしようとすると、距離が邪魔をして通信はかなり不安定となる可能性があります。
しかし、有線であればLANの中を何も邪魔されることなく通信できるので障害物などの影響は受けません。
通信の制限の影響
多くのポケットWiFiは、「速度制限」というものが設けられています。
これは、契約者が不公平にならないように使用方のユーザーに制限をかける措置です。
ポケットWiFiは、そのエリアの契約者同士で回線をシェアしているため、一部の方が長時間利用などで占有してしまうことで他の方が繋ぎにくくなってしまうと不公平ですよね?
そのため、使いすぎている方には一定期間の速度制限がかかります。
制限のかけ方は大きく2種類あり、1つは日ごとや月ごとの上限容量をオーバーした場合です。
この場合は、月末までWebサイトのページさえも開けないほどに通信は制限されます。
動画や画像の閲覧などは不可能なレベルです。
対策としては、制限が解除されるまで待つか、オプションでGBを購入する方法しかありません。
もう1つは、直近3日間のデータ使用量の合計が10GBを超過した場合です。
翌日から、夜間のみ1Mbps(YouTubeの低画質なら問題なく視聴できるレベル)に制限がかかります。
ただし、直近3日間の合計使用データ量が10GBを下回ればそのタイミングで即解除となり、解除後は正常な通信に戻ります。
ポケットWiFiのおすすめ製品はこちら
インターネットで、様々なコンテンツを消費するこの時代。
最適なWiFi環境を手に入れることは、有意義な生活をするためにも必要不可欠だと感じます。
今回の記事では、通信速度について理解が深められたかと思いますが、それでもどのポケットWiFiを選択すればよいのかわからないという方もいるでしょう。
そんな方におすすめしたいのが、「Trip WiFi」です。
Trip WiFiの特徴を一言で表すと、ポケットWiFiとクラウドWiFiのメリットが詰め合わされた、とても柔軟性のあるWiFiです。
Trip WiFiの特徴としてまずは持ち歩きが可能です。
携帯サイズで、固定回線とは違い工事が不要で無線で自宅や外出先など場所を選ばずに利用できます。
手元に届いたら、利用したい分のGBをアプリでチャージして使用していただけます。
気になる価格面ですが、端末を19,580円でご購入後に、国内で利用したいGBをアプリで購入します。
国内であれば、「1GB500円」「3GB980円」「7GB1,980円」の3つのプランからお選びいただけます。
また、Trip WiFiはクラウドサーバに現在地を知らせるクラウドSIMが装着されています。
このSIMがクラウドサーバに現在地の位置情報を送り、クラウドサーバはその位置情報から最適なキャリア回線を探し出してWiFi端末に送り返します。
一般的なポケットWiFiとは違い、クラウドSIMはその時々でベストな回線が使えるため常に安定的な通信速度が期待できます。
Trip WiFiについて、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事も一緒にご覧ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、ポケットWiFiの「通信速度」を中心にご説明させていただきました。
各社製品の下りと上りの最大通信速度を見てもられば、特に下りでの違いが見受けられます。
ただ、記事内でもご説明しているように、最大通信速度も大切ですが、それ以上にどのような環境でも安定的に一定以上の通信速度を保つことのほうが重要
です。
エリアごとに通信にバラつきがあるポケットWiFiだと、ストレスを感じてしまうかもしれません。
最後にご紹介させていただいた「Trip WiFi」であれば、クラウドSIMが搭載されているためそういったストレスを感じずに利用することができます。
国内だけに留まらず、海外でも利用できますしGB料金についても、経済的に購入することができます。
ポケットWiFiの製品をどこで選べばいいか迷っている方は、一度検討してみてはいかがでしょうか?